最短ルートは最短ルートではない
は?
お前日本語分かる?
ってことで本日のたかむぎです
世間的な最短ルート
ここで言う「ではない」ほうの最短ルートの定義をしますね
最短ルート、は読んで字のごとく「最短で到達できるルート」です
例えば、格ゲーで上手くなるならまず対空を頑張りましょう、コンボしましょうとか
FPSならエイムを頑張りましょう、とか
エイムを上手くなるならこの練習をしよう、とかですね
平たく言うと「これをやっておけば上手くなる!」って内容になります
この「最短ルート」ですが、昨今の金銭的な目的もあり
多くがyoutubeなどの媒体で、著名な人から提供されていることが多いです
最初に述べたこととは矛盾していますが、「最短ルート」は嘘ではありません
何故なら、情報提供者が辿った成長ルートの中で、
最も効率的で効果があった方法を抽出しているということに間違いはないからです
「最短ルート」が「ルートである」という幻想
この最短ルートには罠があります
情報を受信する人間の目標レベルに左右されるのです
まず、最短で大雑把に「上手くなる!」という情報があるとしましょう
僕の主観では、こういう情報を求める層は上位30%~10%あたりを
目標に置いているケースが多いように思います
まあ要は「情報への期待値」が高いんですね
ここで冷静に考えてみます
ここまで容易に情報にアクセスできる時代において、
競争対象となる人間はほぼ全員この情報にアクセスできますよね?
となると、競合と全く差をつけることが出来ません
であれば、その目標にそもそも到達できるはずがないのです
「最短ルート」が「最短である」という幻想
最短ルートは最短ルートです
これは間違いありませんが、大きな落とし穴があります
それは発信者が山頂から見下ろした時の最短である、ということです
物事の上達において、僕は「試行錯誤」での「問題解決」が不可欠に思います
帰納と演繹という言葉がありますが、
恐らく上達においては、失敗という経験の蓄積からでしか上達は無いと考えます
発信者は、後々振り返ってみると「最短ルート」が見えます
でもそのルートは、失敗という経験の蓄積があるからこそ通れるのです
最短ルートが「見える」ことと、最短ルートが「通れる」こと
これはイコールではないのです
だから、最短が見えるだけの情報に意味はないのです
「発信者本人が0の状態から最短ルートを通って同じレベルになる」
そうであるはずの事象ですが、この再現性自体が低いと僕は考えます
「最短ルート」が「最短ルートである」という事実
今まで述べたのが僕が最短ルートは最短ルートではないという根拠になりますが、
ここで述べるのは「最短ルート」が「最短ルート」で居られる状況になります
「ルート」の条件クリア
目標としているレベル感が「平均」レベルであるということですね
そうであれば、情報を取得しない層に差を付けるだけで良いので可能と思われます
競争の無い事象においてもクリアと言える……かと思われるかもしれませんが
僕は「上達」を目標とする人は「相対評価」としての結果を求めていると考えます
なので、目に見える競争が無くとも「相対的に上位n%」の概念は成立すると考えます
「最短」の条件クリア
既に十分な量の失敗をしており、いわゆる「コツ」一つで改善できる素地がある人です
そういう人なら、最短ルートが見えるだけで大幅な改善が見込めるはずです
「最短ルート」として扱わないからこその「最短ルート」
ちゃぶ台をひっくり返している感じがありますが、
最短ルートを最短ルートとして扱わないことで、最短ルートになります
上達は「課題」と「解決法」を導出するゲームと僕は考えますが、
最短で行くためにクリアする「課題」と「解決法」を情報から得るのではなく、
自ら見つけた「課題」の根拠であったり、「解決法」のアイデアを得るために使います
「エイムが下手だから負けた、だからエイムのやり方を調べる」、よりも
「エイムが課題としてありそう、エイムの中でもリコイルに問題がありそう、
その中でも意識配分に問題がありそう」、
と考えて同じ情報に到達した場合、後者は圧倒的に伸びます
この例で「意識配分」に到達できたのは、
課題が何かを探る過程で、課題ではないものを何度も引いたからです
これが「最短ルート」を通るための経験であるとも言えます
「経験」という概念は、結果で評価されがちです
目に見えるものしか客観的には評価できませんからね
ですが、過程にも経験は蓄積されるのです
行動した結果だけでなく、思考錯誤自体が「経験」なのです
効果が出た、という事実
ここでパターンを述べたように、こういった情報で「伸びる」人と「伸びない」人がいます
伸びる人が居るからこそ、情報として価値があるように思えたりします
ですが、騙されてはいけないのは
このような情報で伸びる人は、この情報を「補助として」使っただけです
もともと伸びる素養のあった人が、多少のブーストをかけたに過ぎません
結局のところ、残酷なまでに「致命的な姿勢の差」がもともとあるのです
この情報を「一因として」成長した人の存在が、
この情報を「すべての要因として」成長できる、と錯覚させるのです
おわりに
って感じで今回は終わりにします
ここで述べた内容は、読者の皆さんも無意識的には体感があると思います
確実に上手くなるとか、そういう情報を胡散臭いと感じませんか?
その根底にあるのは「課題解決」における重要な要素を他者に委任していることにあります
ですが、根詰めれば根詰めるほどこの奇妙な「委任」に気付けなくなります
大人になり、失敗ための時間投資を惜しいと感じてしまう。
だからこそ、確実で安全な最短ルートで効率的に成長したい。
この最短という「罠」に引っかかるのは、至極当然ですらあります
僕も最近までこの「罠」が見えてすらいませんでした
皆さんも足元にはお気をつけて。
分かっていても、最近の「罠」は巧妙です。「カネ」が絡んでますからね。