模倣は罪ではなく、尊敬である ― Sinner: Sacrifice for Redemption(レビュー)

「オリジナル」を越えられなくとも、その意思さえあれば。


[タイトル]
Sinner: Sacrifice for Redemption [公式サイト] ※公式ないっぽいのでsteamリンク

[対応ハード] ※★でプレイ  
★PC / PS4 / Nintendo Switch

[プレイ時間/進行度] ※レビュー時点
4時間程度/本編全クリア(約2時間)


はじめに

今回紹介するのは「Sinner: Sacrifice for Redemption」だ。
本作は「ダークソウルライク」、という触れ込みのインディーアクションRPGだ。
本家と違い探索は無く、完全にボスラッシュのみというゲームだ。

特徴としては「犠牲」システムが挙げられる。
ボスを倒すたびに、自キャラのステータスが下がっていくのだ。
プレイヤーはどのボスから倒すか、を考えながら攻略を進めていく。

全体を通して非常に粗削りなアクションゲーではある。
犠牲システムも、戦略的な意思決定をさせるには至っていない。
だが、「ソウルライクな戦闘」であることは確かだ。

この「粗削り感」が好きか嫌いかで評価は分かれるだろう。
ということで、詳しく見ていくとしよう。

 

既視感はあるが、やはり優れたアクション

Sinner: Sacrifice for Redemptionのアクションには既視感がある。
武器は「片手剣/盾」と「大剣」の二種類で、弱/強攻撃とパリィが可能である。
アイテムは「遠距離攻撃(槍を投げる)」「火炎壺投擲」「エンチャント」「回復」だ。

これらには、やはりダークソウル的な印象を強く受ける。
というより、もはやアイテムの取り揃えとモーションが「まさに」といった感じだ。
開発者的に「これが作りたい!」から実装された、という感じだろうか?

だが、アクションがあまり多くないことと、単純であること。
これはリスペクト元のダークソウルが徹底していることで、王道でもある。
そこをしっかりと抑えているが故に、安定したアクションであると言える。

模倣であったとしても、「面白さ」をちゃんと理解し実装出来ればいいのだ。
そうであるなら、それは「リスペクト」に他ならない。

 

既視感はあるが、やはり優れたボスデザイン

本作のボス戦は割と分かりやすい。
分かりやすい攻撃予備動作に、それぞれ対処法を組み立てていく。
昔のモンハンや、それこそソウルシリーズのボス戦に近い。

少し異なるのは二点。
自キャラの性能を盛れないことと、ボス毎に主人公が能力を失う事だ。
だから、単純に見えてゲームとしての攻略はしっかりしている。

このボスはどうやって攻略すべきか。
このボスの攻略にはどの能力が欠かせないのか。
それゆえに、どの順番から攻略するのが最もよいか。

そういった意味で、ボス戦自体の体験はソウルシリーズやモンハンを超えており、
単体で見た場合にボス戦の満足度は非常に高い。
開発の想定したバランスで、しっかりと楽しむことができる。

 

粗削りな「犠牲」システム

このゲームでは、前述のようにボス毎に主人公の能力が失われる。
これはボス毎に能力が決まっており、順序性を攻略の要素にする効果を齎している。
だが、このシステムには欠陥が2つある。

1つ目は、どんなボスが残っているかやるまで分からないということ。
ゲームの進行上当たり前であるが、次のボスがどんなボスかは分からない。
なぜそのステータスを「今」犠牲にするか、を判断する情報が少なすぎるのだ。

2つ目は、事実上「ステータスの低下」でしかないということ。
例えば、「回避性能が劣化する」とかであれば、攻略に大きな差異が出る。
だが、そこまでの変化が無いために大きな差異を齎すまでには至っていない

 

総評

ボス戦だけのダークソウル。
だが、ボス戦の歯ごたえはとてもいいバランスである。
王道を抑え、オリジナリティを出そうとした姿勢もとても素晴らしい。

だが、少し物足りない感があるのはインディーゲーあるあるだろう。
この粗削りな「インディー感」が好きで、ボス戦が好きな人にはマッチするだろう。

 

余談ではあるが、このゲームには二週目以降の縛りモードがある。
その中に、「移動速度上昇」かつ「回避の無敵なし」で攻略するモードがある。
このモードに、やりたかったであろう「戦略的な犠牲選択」の可能性を感じた。

例えば、「回避の無敵性能」を「犠牲」の選択肢にするのだ。
その上で、一週目は犠牲なし&ストーリーを小出しにしてボスのお披露目をする。
その後の二週目を本番として、戦略的に犠牲を選択させるみたいな感じだ。

その「兆し」が縛りモードにあるだけに、少し残念ではある。

 

個人的お勧め度: ★★★★★☆☆☆☆☆(5/10)

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