ランクマッチなんていらない
皆さんは、ランクマッチをやりますか?
このブログに辿り着くような人は、結構当たり前にやってそうな気がします
一応ご存知ない方に説明すると、対人ゲームのランク付けがされる対戦モードのことです
タイトルにもあるように、私はランクマッチ否定派です
ランクマッチが提供している価値に比べ、不利益の方が大きいと考えるからです
とはいえこれはプレイヤー目線であり、企業目線の話ではありません
また、私はランクマッチ否定派と言いつつもそこそこランクマッチはやります
ランクマッチを嗜んだいくつかゲームについては、上位数%程度の実力です
最上位クラスのプレイヤーではありませんので、それを念頭に置いてお読みください
ランクマッチの価値を考える
さて、ランクマッチは何故あるのでしょうか?
それを、プレイヤー目線でまずは考えてみることとします
私が考える「ランクマッチの価値」は、下記にあると考えます
- ランクそのものがステータスになる
- 実力を把握できる/成長を実感するための指標になる
- 同格と真剣勝負が出来る
大体こんなところでしょうか?
ただ、本当にこれらに「価値」はあるのでしょうか?
ランクは本当にステータスなのか?
全国3人くらいの本ブログの熱心な読者の方には言いたいことが分かるかも知れません
そもそも、ランクそのものに価値はあるのでしょうか?
ランクが上がったとして、それは(事実上の)社会的価値には繋がりません
社会的な価値に繋がるのはごく僅かであり、全プレイヤーの1%未満でしょう
それどころか、0.01%未満と言っても良いかも知れません
ランクが高いほど、実力がある。
だからこそ、そのゲームのコミュニティ内では「偉い」。
確かに、そういうきらいはあると思いますし、一部の人には事実でもあります
ただ、ランク以外でもそれって容易に達成出来ませんか?
昔やり込んでいたブレイブルーというゲームでは、ランクは一種の飾りでした
ランクが高いから、ある程度上手いんだろうなという程度だったと感じます
というのも、本当に上手い人は「対戦すれば分かる」ものだったのです
ランクを回してなくとも、「強いから偉い」人は普通に存在できます
それは、数値によって不特定多数に「認識」されやすいかの差でしかありません
有象無象に認識されることの利点は、マネタイズにあるでしょう
ただ、それを実施出来る人間が限りなく少ない以上、そこに価値はないと考えます
マネタイズ出来る人は、ランクが無くても恐らくマネタイズの道を探せるはずです
本当に実力を測るのに最適なのか?
ですが、今の世界において「承認」は第一優先であり、「価値」になります
だからこそ、ランクの「まやかしの価値」を「本物の価値」にしようと企業は躍起になります
その結果、今のランクは「実力を適切に測るツール」ではなくなっています
ランクにまやかしの価値を持たせるのは簡単です
ランクを上げるのにかかる時間を非常に長くし、マラソン化させるのです
そして、ランク以外は「遊び」という価値観を作り出すのです
世界一人気(諸説あり)のLoLというゲームでは、実力が反映されるまでがかなり長いです
それこそ1000時間という時間が無いと、実力が反映されないような造りになっています
だって、ギルティギアのように一時の運で上がれてしまうなら、価値は薄くなりますよね?
どちらのケースにおいても、ランクは「時の運」か「長期スパンでの運用」が前提になります
99.9%のプレイヤーにとって、それは正しい実力測定に繋がりません
ましてや、成長の実感を得るツールとしてメインでこなすには不適当に思います
自身の変化速度についてこれないか、運否天賦で誤魔化されるのがオチでしょう
本当に同格と真剣勝負が出来るのか?
理想の世界では、同格と真剣勝負が出来るようになりますね
だって、ランクを賭けた闘いですからね
失うものがあるからこそ、本気でやるというものです
ですが、そういうわけでもないと思うんですよね
ランクに価値が生まれると、初心者狩りや代行などの「歪な」人が増えてきます
要は、エゴを不必要に刺激するシステムが「哀しきモンスター」を生み出すのです
ランクマッチが「ランク」として「価値」があるほど、この傾向は強くなると考えます
そもそも僕の持論として、本気でやる人は「ランクだから」本気でやりません
ランクが無かったとしたら、通常のゲームモードを本気でやるだけです
それこそ何も残らなかった昔のゲームのように、狂ったように対戦を積み重ねるだけです
ランクでもある程度の真剣勝負は出来ますが、ノイズが発生します
哀しきモンスター然り、「勝ちに執着しないといけない」という「上達阻害」もそうです
ランク以外でも真剣勝負が出来るなら、あえてランクでやる意味はあるのでしょうか?
ではどうしろと言うのか?
私が考える「最適解」は、ランクを「飾り」にすることです
それは、打ち出し方としても「飾り」として打ち出します
実力があれば(多少は運でも)サクッと上がれるようにしてしまうのです
大体これくらいの実力である、という「エンジニアの経験年数」的な大雑把な指標にします
分かる人に言えば、昔のアークゲーにおける「色」システムみたいな温度感ですね
そして、メインのモードはランクではなく通常のゲームモードにします
そのゲームモードの参加指標として、お飾りである「ランク」を利用する形にするのです
ランクは実力を「ある程度」判別するものであって、信用できるものにしてはいけません
そこに「まやかしの価値」を作ってしまうと、ランク至上主義の歪な状態になります
ゲームは本来「楽しいから」やるもので、「上手くなりたいから」真剣にやるのです
ランクを上げる為にやるのではありませんし、ステータスの為にやるものでもありません
まやかしの価値に踊らされる人を減らすために、ランクの価値を無くす。
ランクのノイズに気を散らされないように、真剣勝負とランクを切り離す。
世界一を決めたいような極僅かの人は、週単位で大会でも開けば良いのです
こんなもんで、いいんじゃないでしょうか
おわりに
長々と書いてきましたが、私の考えをまとめるとこうなります
- ランクの唯一の価値は、コミュニティ外の有象無象に対する承認にある
- その承認を金銭に変換出来るかは、個人単位の問題である
- コミュニティ内で齎す価値は、ランク以外で達成が可能
- ランクでやる場合、ランク以外で達成する場合に比べて不利益が生じる
- コミュニティ内において、ランク至上主義は歪なプレイヤーを生み出す
上記を総合して、「実際のプレイヤー」にとっては不利益しかないという感じですね
補足として、ここで言う「実際のプレイヤー」は「99%のプレイヤー」を指します
プロゲーマーのような人にとって、ランクはある程度の価値があると考えます
ただ、その人たちの為に大多数のプレイヤーに悪影響を及ぼします
思うにランクとは、「まやかしの価値」への中毒者を生み出す仕組みです
「正しく」ゲームを楽しむのであれば、ランクの存在は必須ではありません
じゃあお前はランクをやらなければいいだろ、と思った読者もいるでしょう
ですが問題は、「ランク至上主義」が形成されてしまうことにあります
「ランク以外は遊び」という認識がされてしまうと、ランク外での真剣勝負が難しくなります
僕は「仕方なく」ランクをやっています
真剣勝負を、通常のゲームモードでやらせてくれるような環境ではないのです
同格と真剣勝負が容易に出来る場があるならば、ランクなんてやっていません