{(ハクスラ×3)+(ソウルライク*0.5)}/4 ― 仁王2(レビュー)

水と油。


[タイトル]
仁王2 [公式サイト]

[対応ハード] ※★でプレイ
★PC / PS4 / PS5

[プレイ時間 / 進行度] ※レビュー時点
29時間 / ストーリークリア、エンドコンテンツ未実施


はじめに

今更レビューシリーズ……ということで今回レビューするのは仁王2だ。
結構昔に出たコーエーテクモ製のハクスラ系戦国ソウルライクで、その続編にあたる。
数多くあるソウルライクの中でも、まあ及第点な評価をもらっている作品だ。

ソウルライクは、なんだかんだ続編が出ることはあまりない印象だ。
一発ネタ的に作成され、完成度とバランスがめちゃくちゃで、そこそこで終わる。
そんな中、続編まで出ているゲームということで、それなりの期待感がある。

ということで、さっそくレビューをしていこう。
また、前作はプレイしていないため、その点に関してはご留意いただきたい。

 

いいとこジェネリックソウル

ソウルライクといえば、「ロスト」「高難易度」「理不尽ボス」あたりが有名だろうか?
一応そのあたり、仁王2はクリアしている……ようにも見える。
システム面はかなり似通っているし、ボスも道中もそれなりに難易度が高い。

ステータスの設計なども似ており、まあすっごくソウルライクだなぁ、と思わせる内容だ。
だが、やはりというか若干練り込み不足ではあり、「及第点」な印象は強い。
ソウルっぽく遊べはするものの、まあジェネリックソウルかな……という感覚になる。

以後の項で、細部について評価していこうと思う。

 

驚きの無い道中と、驚きのない探索

道中は嫌らしい敵配置により、慎重に進まないと即死する。
ボスは「攻略」を求められ、純粋なアクションと搦め手での勝負となる。
だがアクション自体はシンプルで、自らの選択に集中できる。

このバランス感とメリハリが、ソウルとしてのアクションの面白さであると思う。
では仁王はというと……なんというか、非常に雑だ。雑なのだ。


道中の敵配置

道中の敵配置は、まあ嫌らしいといえばそうなのだが……なんというか、驚きがない。
純粋に「進み過ぎたら囲まれる」だけで、クリアリングを求めるようなものと違う。
前に気を取られる設計になっていて、裏に実はいた!みたいな、創意工夫を感じない。

だから、「してやられた」という感じにならず、ただただ「横着したな」としか感じない。


マップそのものの設計

なんとこのゲーム、ソウルと違ってクエスト制であり、マップは半分くらい使いまわしだ。
だから、「思いがけないエリアの繋がり」は無いし、地理的な繋がりも薄くなる。
それゆえに、探索モノとしての面白さはほとんどなく、ただの攻略エリアとしか感じない。


以上から、本作の道中は「すっごく雑で無駄に慎重さを求められる」としか感じなかった。
ソウルの一つの楽しみである探索についても、ほとんど期待できないレベルだ。
戦国の世界観で色を付けたとしても、探索が地味では世界観の違いを楽しむ余白も少ない

 

複雑でわかりにくいから、結局こうなる

ソウルライクのアクションは、シンプルで面白い。
結局、後隙に攻撃する以外ないのだから、無駄なコンボなどいらない。
相手の攻撃をどう捌き、どれだけ返すか?に集中出来ればそれでいい。

それが、ソウルのアクションの設計の美しいところだと思っている。
そして仁王はというと……近代のモンハンを思わせる複雑さだ。

大量の武器。上中下の構えごとの別モーション。大量の特殊技。大量の魔法。
とにかく、めちゃくちゃにアクション数が多い。本当に多い。
でも、このゲームは無双じゃない。ソウル系がベースになっている。

ボスはごり押しより丁寧なプレイが推奨されるし、道中の敵もアーマーがある。
じゃあいろんなコンボや技が出来たとして、なんの意味があるのか?

そう、普通に意味がないのだ。単発DPSが高い技を使うだけだ。
ここらへんは「テイルズオブアライズから雑魚戦を消した形」が近いだろうか。
コンボをお披露目する機会がないのに、多彩なコンボがあってもしょうがない。

また、ボスも若干ゴリ押しが効く……というより、コードヴェイン的なところがある。
特にモーションが分かりにくく、真面目に攻略するか?という気分になるのだ。
そして本作は特殊ゲージやアイテムを駆使すれば意外とゴリ押せるため、そこそこ可能だ。

そうやって攻略してしまうと、ソウルというよりハクスラライクだなぁ、と思ってしまう。

 

 

差別化としてのハクスラ要素と、光るビルド面

本作の一つの差別化として、ハクスラ要素がある。
ある程度の乱数で制御された装備オプションが付いたり、セット効果があったりする。
だから、装備を集めて敵を倒す、みたいな部分が十二分にある。

先ほど述べた「ハメ」なんかも、特殊ゲージの溜まりに特化するなどで達成できた。
持続系の特殊技を連打し、遠距離から魔法を連打する……みたいな感じだ。
そういったビルドの幅はあるといえばあるし、ハクスラとしてはまあそこそこ面白い

ゲージの種類が多いのも一つのポイントで、特化運用はいろいろ出来そうな感じがある。
ここらへんがハマったときの楽しさは、ビルドを考える楽しさに直結する。
このあたりの試行錯誤は、とても楽しい体験ではあった。

なのだけど、「そのハクスラってソウルライクの土俵でやるものか?」と思ってしまう。
ステージやボスを攻略したいソウルライクと、力で圧倒したいハクスラは相容れない。
めんどくさいからもうハクスラ的に攻略するかー、となっては本末転倒だ。

そこそこビルドは面白かったがゆえに、方向性が不明だな、という印象を強く受けた。
なんというか、前述の多彩なコンボも「無双系ハクスラ」なら面白いよな、と思う。

 

総評

ソウルライクの割には、全然ソウルライクしていない。
コンボの多さも、ビルドも、ハクスラと噛み合うような設計になっている。
なのだけど、ステージはソウルっぽい設計でイマイチ煮え切らない。

ソウルを作りたい人と、ハクスラを作りたい人。
両者が自我を出して妥協した結果、みたいなちぐはぐさを感じずにはいられない。
そんなゲームで、なんというかもったいないな、という印象だ。

たぶん本作は、ソウルライクよりは「ちょっとシビアなハクスラ」として見るべきだろう。
ソウルライクとしての面白さはないが、ハクスラとしての面白さは残っているからだ。
だから、ソウル風のハクスラがやりたいなら一応アリな選択肢ではないだろうか。

個人的には、まとまりのなさからあまりお勧めは出来ない印象だ。

 

個人的お勧め度: ★★✩✩✩✩✩✩✩✩(2/10)

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