Tales of Arise(レビュー)

キャラゲーとRPGの狭間で、令和のテイルズを再定義する。

 

[作品名]

テイルズ オブ アライズ [公式サイト]

[プレイ時間/進行度/DLC]

25時間程度/ストーリークリア/なし

 

概要

今回は期待のテイルズシリーズ新作であるアライズの評価をしておこうと思う。
私は熱心なシリーズファンではないつもりだが、なんだかんだシリーズはかなり遊んでいるので
それなりにファン目線である、ということは留意願いたい。

本作は、”新生”を目指す開発陣の言葉通り、「テイルズといえば」を再定義している。
安心して楽しめるJRPG、という土台は崩さずに、だ。

開発者の掲げる“新生”とは何か。
何が違って、どう良かったのか。

そういったことを中心にとレビューをしていこうと思う。

余談にはなるが、色々言われているDLCについては深く言及しない。
個人的に今作における催促やDLCの塩梅は許容範囲であると考えているからだ。

 

評価項目と詳細

本作品では、まずアクションRPGのキモである「戦闘アクション」
次に時代に追いついたと感じさせられた「UI/ゲーム体験設計」
そして最後に最も変化の大きかった「物語の方向性」を取り上げていく。

 

戦闘アクション

本作の戦闘は、従来のテイルズとは少し異なる。
雑魚戦は普通の殲滅戦ではあるが、ボス戦が少し特殊なのだ。
ボス戦はダークソウルのような「攻略」を推奨する仕上がりになっている。

まず、特徴的なのは回避で、タイミングよく回避すると大きな恩恵が得られる。
移動による「間」で回避するのではなく、ジャスト回避をするようなゲーム性だ。
これは、明確にモーションを覚えて攻略する、というゲーム性を作り出している。

次に、特殊攻撃。
キャラクター毎、つまりは6キャラ分に独立したクールタイムのある攻撃があり、
自由なタイミングで出すことが可能となっている。

これは様々な恩恵はあるが、特に「特定の行動のカウンター」になっている点が大きい。
突進には盾キャラの特殊攻撃を合わせると敵が大ダウンする、みたいな仕掛けがあるのだ。

これらの二つの要素が合わさり、戦闘において
「特定の行動」と「モーション」の二種類を攻略する必要が出てくる。
その際の恩恵の大きさと、演出のテンポが積極的に狙っていきたくさせる。

攻略の気持ちよさを、ちゃんとプレイヤーが受け取りやすい設計になっているのだ。
今までのテイルズはどうしても「自分のアクション」を中心としていたが、
今回は明らかに「敵の攻略」の要素があり、また良く練られた設計であると言える。

 

UI/ゲーム体験設計

従来のテイルズシリーズは「時代遅れ」である印象を抱いていた。
それは、UIデザインだったり、グラフィックだったり、ダンジョン設計だったり。
とにかく古臭く、一昔前のハードで出たゲームという印象を拭えずにいた。

今回のアライズは、とりあえず「令和」の最低水準は満たしているのだ。
これはテイルズシリーズとして正直かなり感銘を受けた。

グラフィックがめちゃめちゃ悪い訳でもなく、
小学生向けかと思わせるしょーもないダンジョンのめんどいギミックもない。
めちゃくちゃ広いマップを徒歩で往復することも無ければ、
全滅したらセーブからやり直しとかいうスーファミレベルの嫌がらせもない。

兎に角、令和水準なのだ。
普通であれば褒めるようなことではないのだが、それでもちゃんと「令和水準」なのだ。

 

物語の方向性

今までのテイルズにおけるストーリーとは何か?
一言で表現するなら、それは「日常アニメにおけるシリアス回」だと思う。

なんとなく少年少女が旅を始め、和気あいあいとしたやり取りが続く。
最後の方で重大な真実に気付き、それに立ち向かって大団円となる。
そんな印象だ。

そして、それを中心にシリーズを作り上げてきた。
極端で魅力的なキャラを作り、笑える掛け合いを大量に用意し、プレイヤーを楽しませる。
人の関係性をウリにしたゲーム、まさに「キャラゲー」だったのだ。

 

だが本作は、今までのバランスが完全に逆転している。
「シリアスなアニメの中に、日常のワンシーンがあるだけ」になったのだ。

登場人物は今までほど極端な性格をしていないし、ある程度大人だ。
なんとなく旅が始まることもないし、そもそも目的は最初から一貫している。
クスっと笑わせるような掛け合いは必要最低限のレベルだ。

それでもなお、JRPG感のあるストーリーは健在だ。
世界を救う。クサいセリフと行動。アニメ的なキャラ。なんだかんだ王道でアツい展開。
まさにJRPGというところは外していない。

だからこそ、いわば凡庸な「JRPG」になったとも言える。
だが、ただの「キャラゲー」から脱却できた、とも言えるだろう。
個人的にどちらがいいとは言えないが、覚悟を持って方向転換したのは確かだろう。

 

総評

本作は「新生」を謳うにふさわしい。
時代に追いついた高水準のテイルズは正直久しぶりであったし、
今までの「テイルズ観」を一新しようとする意思を強く感じた。

目指したのは、世界に通用する高水準なJRPGなのだろう。

だが、個人的には「凡庸で安定した良ゲー」の範疇だと感じている。
キャラゲー臭がして先細りしていたシリーズから「売れる」シリーズになった弊害だ。
「万人受け」を目指し、ただの高水準のゲームになってしまったのだ。

それでもシリーズファンは、今回の「新生」の方向性を感じてみて欲しいと思う。
また、良作RPGをやりたい人にも普通にお勧め出来る仕上がりだ。
だが、良くも悪くも尖ったゲームを期待していた層は避けたほうが無難だろう。

また、最後になるがDLCは必要ない。
難易度をイージーにすればレベリングは不要でそれなりに歯ごたえはあるし、
レベリング的な作業が好きならノーマルでプレイすれば問題ない。
DLCでいろいろ言われているが、通常プレイにおいて必須ではないだろう。

 

個人的お勧め度: ★★★★★✩✩✩✩✩(5/10)

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