おどろおどろしい知能テスト ― INSIDE(レビュー)

平均以上かどうかは、貴方次第。


[タイトル]
INSIDE [公式サイト] ※無かったのでソニーの公式リンク

[対応ハード] ※★でプレイ  
★PC / Nintendo Switch / PS4 / Xbox One / iOS

[プレイ時間/進行度] ※レビュー時点
4時間 / ストーリークリア


はじめに

今回紹介するのは、アクションアドベンチャーゲームのINSIDEだ。
謎の場所から始まる本作は、これまた謎の少年を操作して進んでいく。
数々のギミックを突破した果てにあるのは……。

INSIDEのベースは、謎解き/アクション要素/ストーリー考察だ。
だが、本作ではこれらの要素が上手く表現しきれていないような印象を受ける。
それを「受け取り手の問題」と断ずるには、些か不親切な内容であった。

では実際問題、これらの要素がどのように表現されているのか。
今回は「要素一つ一つ」と「複合的に見てどうか」を中心に批評していこうと思う。

ちなみに私はアドベンチャー系は疎いので、そのあたりはご了承願いたい。

 

ヒラメキか知育テストか

公式(?)曰く、ギミックを「ヒラメキ」で突破するのがゲームの基本内容だ。
それはスイッチ系の仕掛けを用いたり、タイミングでなんとかするものだったりする。

とはいったものの、これらの仕掛けの難易度はあまり高くない。
それ故にサクサクとは進んでいくが、「アハ体験」的な気持ちよさはあまりない。
どちらかというと進行にアクセントを加える、というような位置付けだ。

進行にアクセントを加える……というのは、いわば雑魚戦のようなものだ。
そして雑魚戦が活きるのは、ボスやストーリーが気になるからだ。
すぐに進めたい焦燥感を煽ることで、デザートをより味わい深いものにするのだ。

であれば、「デザートの出来」が肝要であろう。

 

高尚なデザートの味わい

本作におけるデザートは、二種類ある。
「エリアの探索」という”冒険感”と、ストーリー考察だ。

まず、エリアはすべてモノクロっぽい色味で統一されており、不気味な雰囲気だ。
統一されていることは良いことではあるのだが、如何せん変化を感じにくい。
しっかり観察しない限りは、「なんとなくダークで変わり映えしない」以上にはなれない。

そしてストーリー考察だが、INSIDEでストーリーが直接的に語られることは一度もない。
ムービーやセリフ、果ては文字として語られることすらない。
考察するにしても、あまりにも補助線が少なすぎるのだ。

だから、「なんか雰囲気が変わった」という分かりやすい面白さがない。
だから、「ストーリーの空白を埋める」という分かりやすい考察が出来ない。

つまるところ、デザートの味わいが「高尚」すぎるのだ。

 

その気にさせる仕掛けが足りない

確かにデザートが高尚だと言ったが、それ自体は問題ではない。
問題は、そういう「考察」をさせる仕掛けが少なすぎるのだ。

例えば、謎解きがとても難しく、マップの細部を見る時間があったらどうか。
例えば、ストーリーの方向性を定める何かが、強く印象付けられていたらどうか。
こういった要素が、「その気にさせる」トリガーになる。

だが、このような動機付けがINSIDEには全くない。
デザートまでスムーズに楽しむための導線がないのだ。

とはいえ、純粋に謎解き自体を目的としたプレイヤーには問題ない。
寧ろ、余白があることにより解釈の幅が広がることだろう。
だがやはり、それは楽しみ方として「高尚」すぎる

 

総評

謎解きをしたくなる動機付けが「前菜」。
ゲームの大部分を占める要素が「主菜」。
謎解きそのものが「デザート」。

そうだとするなら、INSIDEにおける「主菜」の味はあまり濃くない。
そんなに頭を使わなくとも、簡単に突破できる。
だからこそ、デザートに比重を置いているとも言えるし、もはやそれが全てだ。

だが、INSIDEには楽しみ方の方向性を定義する「前菜」がない。
前菜が無いからこそ、暗闇の中で「主菜」と「デザート」を食べるしかない。

だから、「主菜」も「デザート」も何か物足りないのだ。
心の中に、自分だけの「前菜」が無い限りは。

 

個人的お勧め度: ★★✩✩✩✩✩✩✩✩(2/10)

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