光のように速く ― FTL: Faster Than Light(レビュー)

過ぎ去るまでの美しさにすべてを賭けろ


[タイトル]
FTL: Faster Than Light [公式サイト] ※steamリンク

[対応ハード] ※★でプレイ  
★PC

[プレイ時間 / 進行度 ] ※レビュー時点
7時間 / いくつかの艦をeasyでクリア


はじめに

今回紹介するのは、宇宙船戦闘シミュレーション?のFTLだ。
本作はローグライクゲーであり、宇宙船を強化しながら艦隊の撃破を目指す。

特徴としては、戦闘がRTS風でそれなりに戦略性が存在することだろうか。
宇宙船同士の戦闘では、刻一刻と変化する状況に合わせた対応が求められる。
ローグライクならではのランダムイベントや、各種装備も存在する。

値段もお手頃で、内容も「光のように速い」
ということで、宇宙船ローグライクの実力のほどを見ていこう。

 

戦略性の高い戦闘と、想像力を引き出す仕組み

ローグライクでは、その場限りの強いパッシブや装備に合わせて戦略を決める。
だからこそ、取れる戦略の幅が広そうに(見える)ことは非常に重要だ。
次はこうやってみよう、と思わせる要素になり得るからだ。

その点、FTLにおける戦闘は非常に幅が広い。
防御特化や攻撃特化という一般的なビルド以外の戦略があるからだ。

前提として、船には区画という制御部屋に区切られている。
その制御部屋や対応した船員がやられると、その区画の対応パーツは弱体化する。
エンジンルームが破壊されると回避が出来なくなる、といった形だ。

酸素供給を絶ってじわじわ殺したり、船に火を放ったりといった戦略も可能だ。
自らの船員を送り込み、内部で船員をそのまま攻撃するとったことも可能だ。

そういう意味では、取れる戦略やビルドは非常に多そうに「見える」。
だから、割と手探り状態でいろいろ試すのが楽しい。
やれそうな事が多いからこそ、やりたいことが多くなるという単純な図式だ。

 

戦略性は高いものの、短期決戦が過ぎる

とはいえ、この戦闘には噛み合わない点がある。
戦闘時間そのものが短く、短期決戦になるという事だ。
そして、多くの「出来そうな」戦術は、じっくり戦闘することを前提とする。

ローグライクにおける戦闘には、リソースとのトレードオフが常に存在する
だから、なんだかんだ最速で船体を壊す方向に誘導されてしまう。
じっくりやってリソースを消費するくらいなら、さくっと無傷で倒すべきだ。

確かに、リソース云々よりも総力戦になるラスボスに関しては長期戦に出来る。
だが、その為に戦略を設計し、最後の最後で実は弱くて水の泡……は精神負荷が高い。
そういった意味では、実際にプレイヤーが取るで”あろう”戦略の幅は想像以上に少ない。

そして、「長期戦」と言っても数分レベルの長さであり、戦闘中は操作に忙殺される。
骨太シミュレーションのような、戦略がじわじわと決まるような長さではない。
「凝った戦略」がハマった時の気持ちよさみたいなのは、薄くなりがちだ。

 

乱数要素と、最終ビルド差の少なさ

本作には例の如く、ランダムイベントや初期機体による差がある。
こういったものを駆使し、リプレイ性を高めるのがジャンルの常套手段でもある。
だが、FTLのイベントやビルド差には、大した幅がない。

ランダムイベントは、船員が増えるかパーツが貰えるかの「金銭的価値」しかない。
ビルドの方向性を変え得るような、大き目のイベントはあまり存在しない。

初期機体についても、最終的な武器の装備数などが若干異なるくらいである。
確かに、使っている武器の傾向などに変化はある。
ただ、本作は基本的にはdpsで相手を倒すゲームであるが故に、プレイ感は変わらない。

とはいえ、これは悪い事ばかりでもない。
どれも「金銭的/dps期待値」に変換しやすいが故に、分かりやすく学習できるのだ。
だから、「どんどん効率的な行動を取れるようになる」という進捗面での面白さがある。

 

カードでもアクションでもないということ

ローグライクは、ここ最近「カード」「アクション」にしたものが多い。
選択肢の評価を容易にし、シナジーの構築をメインにするなら「カード」が良い。
選択肢の評価を曖昧にし、アクション面での実力発揮にするなら「アクション」が良い。

本作は、その中間地点にあるゲームだ。
シナジーメインで考えさせられるほど、分かりやすいシナジー効果はない。
アクションや操作メインでプレイできるほど、シビアさや戦略性はない。

こうやって書くと、良いところは無いように思う。
だが、実際は「両者のいいとこ取り」が出来る瞬間がある。

それは、初回プレイだ。
初回であれば、操作に慣れていないからこその緊迫感がある。
初回であれば、まだ見ぬシナジーに思いを馳せることが出来る。

そういった意味で、本作は初見プレイが最も面白いゲームであるように思う。

 

総評

値段もお手頃で、内容は初見をサクッとやるのがベターな印象のゲーム。
個人的には、そういう評価が最もしっくりくると思う。
繰り返しを前提にじっくり遊ぶには、少しコンテンツが足りないようにも思う。

イベントのトライアンドエラーは分かりやすく、ビルドに夢がある。
その夢が破れるまで、最低限の効率的な動きを学んで初回クリアするまで。
ここまでの「ローグライクなのにちゃんと前進してる感」は、確かなものがある。

そのような、お手頃ローグライクがやってみたいなら損はしないだろう。
というか値段的にも時間的にも、そこまで損をするゲームでは無い。
気になっていたならやってみたらよい、くらいの面白さはあるゲームだ。

 

個人的お勧め度: ★★★★★✩✩✩✩✩(5/10)

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