ゲームにおける「体験」とは ー進捗編ー

※各回リンクです

第一回: 表現編
第二回: 進捗編(本記事)
第三回: コミュニケーション編(未執筆)

ゲーム体験は「表現」「進捗」「コミュニケーション」に分類できるとし、
それぞれについて細かく見ていくシリーズになります

前回は「表現」について見ていきました
今回は「進捗」について書いていこうと思います

 

「進捗」

ここではあえて「進捗」と表現しました
昨日より今日の方が進展している、だから充実していて面白いという寸法です
ではゲームにおける進捗……すなわち進み具合とは何なのでしょうか?

これについて、私は下記の要素で構成されていると思います

  • マイルストーン
  • 攻略

これらは表現と違い、どちらかというと現実世界との比較になります
こういった進展の有無って、他の表現媒体ではそもそも伝えられませんからね
なので、そのあたりから攻めてみます

 

マイルストーン

横文字は好みではありませんが、いい言葉が無かったのでこう表現しました
いろいろと用途の広い言葉ではありますが、ここでの意味は
「ゲームにおいて節目となるポイント」すべてを指します

これには、「レベル」や「ステータス」、「ストーリー」が含まれます
言わずもがなマイルストーンの設定はゲームの面白さに直結しています
誰だってレベルが上がったら気持ちいいものでしょう?

現実世界では、ゴールもステータスもログも残りません
現実世界が苦しくなりがちなのは、そういった「節目」を認識出来ないのも一因でしょう
だからこそゲームは分かりやすい節目を提供することで、成長の実感を与えてくれるのです

 

ですが、実はゲームにおいてもプレイヤーは正しく「節目」を認識できません
ゴール地点を作っているのは開発者であり、プレイヤーはゴールを知らないからです

それゆえに、開発者が「レベル」などの形でプレイヤーに「節目」を伝えます
そしてその節目が納得のいくものであり、のスパンが適切であるほど優れていると考えます

最大レベルが9999のゲームにおける1レベルは節目にはなりません
「ちゃんと強くなっていて」「ただの通知ではない」という実感が伴っている必要があります
優れたゲームは、プレイヤーの成長実感と通知のバランスが丁度よいのです

 

攻略

そのまんまですが、ゲームを攻略することです
ここでいう攻略とは、「回答を出す」という攻略になります

例えば、特定のボスを倒すために作戦を練る。攻撃パターンを練る。
謎解き要素をクリアする。考察する。スキルのシナジーを考える。
そういった技術面での進展……もとい「問題解決」を指します

現実世界では、答えのない問題が多くあります
問題解決は上手くいけば気持ちいいものですが、基本的には苦しいです
ゲームは、開発者が「作問」した課題の「答え」を探すことで疑似的にそれを再現します

 

これは、開発者が「作問」した以上、明確な答えがあります
そして、プレイヤーが上手く回答出来るように誘導を行います
優れたゲームはこの「作問」と「答え」と「誘導」が素晴らしいのです

気持ちよさは、問題解決の「体感の難しさ」に比例します
誘導されている感が少なく、かつ自由度が高そうな問題を、
実は想定の範囲内で回答させているというゲームが優れている、ということですね

 

おわりに

ということで進捗については以上になります
今回の内容を、以前の続きを踏まえてまとめると下記のような感じになります

  • ゲーム体験
    • 表現
      • ストーリー
        • 一般的なストーリーテリング
        • (ゲームならではの+α)ストーリーにおける「選択」
      • 五感を用いた表現
        • 一般的な音声表現/視覚表現
        • (ゲームならではの+α)プレイヤーの操作/干渉範囲全て
    • 進捗
      • マイルストーン(節目)
        • レベルアップ、ステータス上昇など
        • ストーリーそのものの進捗
        • (優れたゲームの+α)進展の実感と比較して納得感があるか
      • 攻略(問題解決)
        •  ボス攻略(パターン解析、戦術etc)など
        • 謎解き、考察、スキルの組み合わせなど
        • (優れたゲームの+α)実際よりいかに難しく感じさせるか
    • コミュニケーション

最後に、進捗の要素で優れたゲームを紹介して終わります
レビューのリンクを貼っておきますので、適宜どうぞ!

◆マイルストーン

◆攻略

 

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